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戌年の今年読みたい!犬文学の傑作読書のすすめ【第29回】

編集部 まめお | 2018年03月29日


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戌年の今年読みたい!
犬文学の傑作読書のすすめ

 

犬と生活をともにしていると、「愛おしい」「楽しい」など様々な感情が湧き上がってきます。時には言葉で会話できない分、もどかしいこともたくさんありますよね。そのような生活を通して、犬は私達に大事なことを教えてくれます。今回は、犬を題材にした文学をジャンル別にご紹介。春の暖かい陽気に包まれ、たまには読書にふけってみませんか。

目次

春の陽気にぴったりの、ほのぼの文学

犬のちょっとした行動や仕草、癖は、どれも愛くるしく見ているだけで心が癒されます。犬が登場する作品の中には、そんな犬のかわいらしさが感じられるものも多いです。何かに疲れた時、くすっと笑える犬文学から元気をもらいましょう。

○ミュリエル・ドビン『犬ですが、ちょっと一言』

犬の目線から見た世界が描かれた小説です。主人公は飼い犬のジョー。人間の行動や動物との接し方に違和感を覚え、自分の思いを文章にして綴ります。犬のくせにお酒好きだったり、世界に苦言を呈したりと、キャラクターだけ見ればちょっぴりインテリ風なジョーですが、犬ならではの考え方につい感心させられるでしょう。実際、犬は人間の言葉が分からないだけで、頭の中ではいろんなことを考えているのかもしれません。愛犬の気持ちが知りたくなる一冊です。

○雲がうまれる『犬しぐさ 犬ことば』

著者のTwitterに投稿された犬のイラストから、約100作品を厳選してまとめた書籍です。イラストは犬のかわいらしい仕草や、日々の出来事を記したもので、とにかくページをめくるたびに癒されます。イラストの横につけられたコピーにも、ついほっこり。著者の犬愛がひしひしと伝わってくる作品集です。小説などと違い、普段あまり本を読まない方でも、気軽に手に取りやすい本でしょう。

○伊勢英子『グレイがまってるから』

シベリアン・ハスキーを迎えた一家の、何気ない日々を綴ったエッセイ。ハスキーはグレイと名付けられ、絵描きの著者やその家族に成長という変化をもたらします。本の中には、著者が描いたグレイのスケッチが挿絵として載せられ、犬を飼っている方ならば「うちの子もこんな顔をする」と共感してしまう場面も。明るくやわらかな文章は読み進めやすく、犬と暮らす幸せに気づかせてくれるでしょう。

とにかく切ない…ノンフィクション作品

犬をテーマにした本の中でとくに多いのが、ノンフィクションの作品です。人間は犬に触れ、ともに暮らし、そこで気づくことがたくさんあるのでしょう。ノンフィクションの作品は、とにかくどれも涙なしでは読めない傑作ばかり。読書する時は、ハンカチをそばに置いておくことをおすすめします。

○井上夕香『実験犬シロのねがい』

動物実験に使われた一匹の犬をきっかけに、それに反対する人々、犬を救おうと奮闘する人々の活動が収められたノンフィクションです。現実世界には、人間の勝手な行動で苦しむ動物達がいます。実験用として扱われ、あとは命が終わるのを待つだけという犬も実際にいるのです。直視するにはなかなか勇気がいりますが、私達人間が犬にどのようなことをしているのか知っておくべきではないでしょうか。

○今西乃子『おかあさんのそばがすき 犬が教えてくれた大切なこと』

犬と一緒に暮らしていると、そこにはいろんなストーリーが生まれます。この本はそんな大切な日々の記録です。読み進めるたびに、コーギーと暮らす著者が抱く喜び、悲しみ、大変さが、じーんと胸に響いてくるでしょう。犬を飼ったことのある方は、自分の体験と重ね合わせて、ついうるっと来てしまうかもしれません。

○石黒謙吾『盲導犬クイールの一生』

タイトル通り、盲導犬が生まれてから亡くなるまでを写真と文章でまとめた一冊。盲導犬が出会う人々の心の変化が印象的です。普段なかなか接する機会がないため、私達の多くは盲導犬に対する知識をあまり持っていません。この本を読むと彼らの頼もしさに気づかされます。写真が多く読みやすい文章なので、どんな方でも夢中でページをめくってしまうはず。

一度は読んでおきたい、犬文学の名作

言わずと知れた犬文学の名作中の名作を集めました。一度読んだことがある方も、読み返してみると、今までとは違う感想を抱くかもしれません。もちろん、作品の良さに改めて気づく機会にもなりますね。久しぶりに童心へかえって、名作の世界観に浸ってみましょう。

○ウィーダ『フランダースの犬』

知らない人はほとんどいないであろう、児童文学の中の傑作です。テレビアニメの放送を見て、涙した方も多いのではないでしょうか。少年ネロと老犬パトラッシュの絆を描いたこの物語は、犬好きの著者だからこそ書けた物語なのかもしれません。また、アニメを見たあとに小説を読むと、アニメでは気がつかなかった側面に触れることができます。ぜひ原作を手に取って、今までとは違う『フランダースの犬』を味わってみてはいかがでしょう。

○エリック・M・ナイト『名犬ラッシー』

こちらも言わずと知れた名作です。イギリスに住む少年・ジョーは、ラッシーというコリー犬を飼っていましたが、一家の経済状況が思わしくなかったため、仕方なくラッシーを売りに出します。ラッシーはある公爵が買い取り、スコットランドへ連れていきますが、ラッシーはそこを逃げ出し再びジョーのもとを目指すというお話です。一度別れた飼い犬が戻って来るという展開は、分かっていてもページをめくるたびにじんわり涙が滲みます。

○江國香織『デューク』

こちらは、国語の教科書にも載るくらい有名な小説です。愛犬デュークを亡くした主人公は悲しみに明け暮れますが、そんな時に一人の少年と出会います。物語は、主人公が少年と過ごしたとある1日のお話。じつはその少年は、クリスマスに起きた奇跡の産物だったのです……。心温まる結末に、きっとあなたも最後は涙が止まらなくなるはず。もとは短編集の中に収録されていた物語なので、ふと本が読みたくなった時に読み切れるほどのボリュームです。

犬文学といっても、ジャンルによってまったく雰囲気が違います。今まで読む機会のなかった作品も、これを機会に手に取ってみませんか。犬文学を読むことで、愛犬への接し方や考え方が変わることもあります。自分にはなかった発想を教えてもらえるのが文学の醍醐味。犬好きの方は、ぜひ文学から犬の気持ちを学んでみてはいかがでしょうか。

 

 

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