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獣医師の診断ミスでペットが亡くなってしまいました。訴えることはできますか?【第30回】

編集部 まめお | 2018年04月16日


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質問

獣医師の診断ミスでペットが亡くなってしまいました。訴えることはできますか?

 

 

 

答え

民事上も民事上も、責任追及は困難です。

kuri
この記事の制作・監修

栗脇法律事務所 栗脇康秀弁護士
福岡県弁護士会所属。早稲田大学法学部卒。損害補償事件を中心に、依頼者に安心・納得・解決力をお届けします。
http://kuriwaki.jp/

刑事責任

ペットは法律上では「物」として扱われます。故意に命を奪ったのであれば、器物損壊罪(刑法271条)に問われる可能性がありますが、診断ミスとのことなので、故意ではなく過失ということになります。そして器物損壊罪は故意でなければ罰せられないことになっているので、刑事責任は問われないということになります。

民事責任

あなたと獣医師との間では、ペットの治療をするという契約が成立しています。そこでは獣医師として必要な注意を尽くして診断・治療を行うと言うことが前提とされていますから、そのような注意を怠ってペットが亡くなったということであれば、訴訟によって債務不履行または不法行為に基づいて損害賠償を請求できる可能性はあります。
ですが、ペットの医療ミスについては人間の医療ミスよりもさらに、獣医師の責任を追及するための立証が困難であることが多いと考えられます。ペットの診療には、人間のような学会によるガイドライン等もなく、また診療録の保存についても人間ほど厳格に行われないため、専門的知見や証拠をそろえるのが大変だからです。
また人間の医療ミスの場合、高額な死亡慰謝料や逸失利益(医療ミスがなかったとしたら何歳くらいまで生きてどのくらいお金を稼いだかを計算したものです)が認められますが、ペットは法律上はあくまで「物」ですので、原則としてこれらは認められず、買ったときの値段程度になることがほとんどです。最近では、家族同然にかわいがっていたペットについては慰謝料を認める裁判所の判決もありますが、それでも10万円程度の判決がほとんどというのが実情です。

このように、残念ですが、立証のハードルは高く、また請求できる金額も少ないのが現実なのです。

 

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