犬の「狼爪」って知ってる? その意外な役割と切除について【第71回】/ペットと暮すトリビア

犬の「狼爪(ろうそう)」って知ってる?
その意外な役割と切除について



愛犬の足の離れた場所に1本だけ黒い爪があって、驚いたことはありませんか?これは「狼爪(ろうそう)」と呼ばれるものです。狼爪がある理由と役割、ケガを防ぐためのお手入れ方法について見ていきます。


目次


犬の「狼爪」とは?

狼爪とは、犬の親指にあたるものです。ウルフハウンド、シベリアンハスキーなど比較的オオカミに近い種類の犬に見られることが多いといいます。もちろん、他の犬種でも狼爪がある子はいます。チワワのように室内で飼われることが多い犬種でも、狼爪が残っている子はいるのだとか。
犬の爪は、散歩中に地面との摩擦によって削られます。頻繁に爪切りをしなくても伸びない子が多く、意識しない飼い主さんは多いものです。4本指に関してはその通りでも、5本目の狼爪は少し事情が違います。普通に歩く時に地面につかないことから伸びやすく、お手入れが必要です。伸びすぎると巻き爪のようになり、指の先端に食い込んでしまうことがあります。留守番している最中に家具に引っ掛けてしまうと、血だらけになりかねません。愛犬がパニックを起こして傷口を広げてしまい、ひどいケガにつながるおそれもあります。痛い思いをさせる前に、対処するのが理想です。
狼爪が折れて出血していることに気付いたら、消毒や止血をします。傷口が開いたまま散歩をすると感染症の原因となるリスクがあるため、放置するのは危険です。爪の中には神経や血管が通っていて、折れてしまうと痛みます。患部を気にして舐めることでも雑菌が入ってしまうので、コットンやティッシュで保護しましょう。ちなみに、人間用の消毒液を使うのは間違った判断です。人間用の軟膏を使うのもリスクが高く、犬には対応できません。自己判断で間違った対応をして、ケガを悪化させてはかわいそうです。動物病院に連れていき、獣医さんに任せましょう。

犬の「狼爪」は切除した方がいい?

狼爪は、先祖から受け継いだカラダの特徴に過ぎません。今の犬にとってはとくに必要がないものなので、切除するブリーダーさんも多いといいます。ペットショップで買った犬の場合は、すでに切除されていることも多いものです。「うちの子にはなぜないのか」と気にする必要はなく、お手入れされている証拠と考えてください。
狼爪を見つけた場合は、どうすればいいのでしょうか。伸びた爪が折れて足に刺さったりブランケットに引っ掛けてしまったりと、ケガの原因になるおそれがあります。日常生活に支障が出るようなら、切除手術を検討しましょう。大きくなってからの切除手術は、全身麻酔を行う機会に合わせてお願いするのが通常です。狼爪の根元から切り落とし、皮膚を縫うだけの簡単な手術とされます。
「病気ではないのに、手術を受けさせるのはかわいそう」といった考えから、判断に迷ってしまう飼い主さんもいるようです。残すようならこまめに爪切りをして、ケガをさせない工夫をしましょう。


犬の爪切りの正しい方法

犬の爪切りは、ハサミよりギロチンタイプが便利です。血が出ることもあるため、止血剤を用意すると安心です。 犬の爪は円柱状になっていることが多く、1回ではうまく切れないことがあります。野菜の面取りをするように何カ所かに分けて、少しずつ切ってください。爪切りでこわい思いをさせると嫌がってしまうため、2人がかりで行うことをおすすめします。テーブルの上に愛犬を乗せて1人がおやつで気を引きながら軽く支え、もう1人が後ろ足を持ち上げるように切る方法です。抱っこ姿勢の方が大人しい子なら、やりやすいやり方で構いません。1人が抱っこしている時に、もう1人が切っていきます。
爪切りをしばらくさぼってしまったタイミングだと、血管が透けて見える状態にもなりかねません。血管の手前までを目安として、傷つけないように気をつけましょう。黒い爪の子だと血管が見えないため、少しずつ切ってください。切った断面が透明に見えるようになったら、血管が近いサインです。それ以上短くすると血が出てしまう可能性が高く、やすりで磨いて仕上げましょう。
爪を切る頻度ですが、月に1回を目安とします。フローリングを歩く時に「カチカチ」音が響くくらいになったら、伸びてしまったサインです。毎日たくさん歩く習慣がある子だと、もう少し長いスパンになることもあります。愛犬の様子を見ながら、スケジュールを決めてください。
どうしても爪切りが難しい子は、動物病院やペットサロンにお願いしましょう。「爪切りくらいで」と嫌な顔をされることはないので、心配はいりません。自宅で無理に爪切りをすると、飼い主さんがケガをするおそれもあります。普段は大人しい子でも驚いた拍子に噛み付いたりひどく吠えたりすることがあり、無理に進めるのは危険です。定期的に爪を切っても変わらずにケガをしてしまうようなら、あらためて手術を検討しましょう。


狼爪があるのは動物として自然なことで、おかしなことではありません。ただ、ケガをしたり事故につながったりするおそれがあり、正しい対処が必要です。切除するにしても定期的に切るにしても、愛犬に痛い思いをさせないようにしましょう。


 

この記事が良かったら もふるボタンを押してね

この記事をシェアする