猫がまばたきする理由は愛情表現?それとも病気?【第116回】/ペットのお悩みなんでも大百科

猫がまばたきする理由は愛情表現?それとも病気?

人間に比べると、まばたきの回数がはるかに少ない猫ですが、実はそのまばたきに関しては秘密が多く、しかもさまざまな意味を持っていることはご存知でしょうか?ここでは猫のまばたきの回数が少ない理由や、まばたきの持つ意味について、さらに、まばたきが示す病気の可能性についても解説します。


 

目次

猫のまばたきが少ない理由は?

人間のまばたきの回数は1分間につきおよそ15〜20回とされており、これは4〜5秒に1回の割合で行っている計算になります。一方で猫は18.5秒に1回、つまり1分間に約3回しか行っていません。他の猫と対峙している時や獲物を狙う瞬間など緊張状態になると回数はさらに減少する傾向にあり、中には5分間以上まばたきをしないこともあります。また人間のまぶたの開閉時間は0.1秒であるのに対して、猫を含むネコ科の動物の開閉時間は0.46〜0.5秒であり、まばたきの速度は非常に遅いです。

猫のまばたきが少ない理由は、人間と比べて目が乾きにくい構造であることが挙げられます。まぶたの内側にはさらに白い膜の「第三眼瞼」があり、これによって涙の総量を増やしているからです。さらには猫が目を閉じた瞬間に内側の第三眼瞼も閉じられて、ワイパーのようにゴミを除去して水分の蒸発を防ぐ油分を角膜になじませます。涙の蒸発を防ぐ油分が角膜に浸透することにより、まばたきの間隔が開いても目が乾かないため、猫はあまりまばたきをしなくても大丈夫というわけです。なお第三眼瞼は鳥類や両生類も保持しており、彼らもまた、まばたきは少なくて済みます。反対に人間を含むゴリラやチンパンジーなど霊長類は、第三眼瞼が退化し保持していないため、他の動物よりもまばたきの回数が多くなります。

まばたきの機能には角膜の洗浄の他に、物体像のピント修正という役割もあります。視力が良い動物ほどピント修正の頻度が高くなり、比例してまばたきの回数が増加する傾向にあります。人間の赤ちゃんは成人に比べて視力が低いため回数が少なく、同様に猫の視力も0.1〜0.2と低いためまばたきの回数が少なくて済むという訳です。ちなみに猫と同じく身近な動物である犬も第三眼瞼を持つ上に、平均的な視力が0.2〜0.3と低いためまばたきの回数は少ないです。

猫が行うまばたきの意味

角膜の水分補給やピントを合わせるといった物理的な役目の他に、猫のまばたきはコミュニケーションにも用いられています。平均的なまぶたの開閉時間は0.46〜0.5秒とされていますが、猫がそれよりもゆっくりと行っている場合は「挨拶」である場合が多いです。目を閉じずに見つめ合うのは人間にとって信頼や愛情の証となる行為ですが、反対に猫にとっては緊張や警戒を示す行動となります。猫がゆっくりまばたきをするのは、「相手に対して敵意を持っていない」というメッセージです。もし猫と仲良くなりたいのであれば、目ではなく少し下の口元や鼻を見ながらゆっくりとまばたきを返してあげると良いです。

ゆっくりとしたまばたきは、返事を意味している場合もあります。TVや本の影響で猫の返事は「ニャー」という鳴き声と思われがちですが、実は鳴き声で返事をするのは人間に対してだけです。本来猫は鳴き声でコミュニケーションを取るのではなく、まばたきや尻尾の動きなど無音で意思疎通を図ります。これは野生動物であった頃の名残りであり、狩りの際の獲物や天敵に気付かれないように音を出さないボディランゲージが発達したとされています。もし猫に呼びかけた際に鳴き声の返事がなくまばたきだけの場合も、眠いのではなく返事をしている可能性が高いです。

挨拶や返事だけでなく、猫のゆっくりとしたまばたきには愛情表現が含まれている場合もあります。猫は信頼関係が強まるほど反応が薄くなる傾向にあり、リラックスした姿勢を見せたりノーリアクションであることは信頼度が高い証です。もし猫に向かってゆっくりまばたきをして、同じように猫が返してくれたら「好感度が高い、信頼している」という意味合いを持ちます。反対に猫からゆっくりとまばたきでサインが送られたら、こちらも同じようにまばたきを返してあげることで愛猫との信頼関係がより一層深まるでしょう。

注意したいのは、猫に対して「まばたきせずに見つめてしまうこと」です。見慣れない対象物や音が発生した際、猫は一切まばたきをせずにその方向を凝視します。人間が猫の目を凝視してしまうと、猫からは「相手が自分に対して警戒している」もしくは「威嚇している」と捉えられてしまいます。むしろ猫だけでなくほとんどの動物にとっては、目を合わせて見つめる行為が「喧嘩を売る」行為になるため注意しましょう。猫に愛情を示したり交流したいのであれば目をまっすぐ見つめるのではなく、目線をわずかに逸らしつつゆっくりまばたきするようにして下さい。

まばたきが多い場合や片目でする時は注意

まばたきをする必要が少ない構造であるにも関わらず、まばたきの頻度が高い、もしくは片目でする時は病気の可能性もあります。可能性がある病気としては、結膜炎と角膜炎が多いです。また、まぶたが内側に裏返って角膜を刺激する、眼瞼内反症が発症している恐れもあります。まばたきの他に涙が多かったり、充血気味の場合はすぐに動物病院に連れて行きましょう。

イオンペット獣医監修 猫の病気の大辞典
結膜炎
角膜炎
眼瞼内反症


※サイトでは正確な診断はできません。異常を感じたら早めに掛かりつけの獣医さんに診てもらいましょう。

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まばたきは猫のコミュニケーション

猫のまばたきは挨拶や愛情表現などコミュニケーションに使われることも多いです。普段から何度呼びかけても返事がないという場合は、話しかけた時にまぶたや尻尾の動きをよく観察してみましょう。こちらを見つめながらゆっくりとまばたきをしてくれたら、鼻先や口元を見つめながらゆっくりまばたきを返してあげると愛猫との信頼関係や親密度がより高まるはずです。

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