猫にイカを与えると危険?イカを与えたときの症状と対応とは【第106回】/ペットのお悩みなんでも大百科

猫にイカを与えると危険?イカを与えたときの症状と対応とは

猫は魚介類を好むと言われており、実際にキャットフードの中には原材料に魚介類を含むものが多く見られます。しかし、魚介類の中には猫に食べさせると危険と言われているものがあり、その代表的なものにイカがあります。一方で、ペットショップのキャットフードのコーナーにはイカが含まれるキャットフードが並べられていることがあります。実際のところ、猫にイカを与えると危険なのかについて説明します。


 

目次

猫がイカを食べると腰を抜かすって本当なの?

猫にイカを与えてはいけない理由として、猫が「腰を抜かすから」ということが言われています。実際、猫に生のイカを長期間にわたって与え続けると、ビタミンB1が不足するために、ふらふらして上手く歩けない状態になってしまいます。この状態のことを「腰を抜かす」と言うわけです。上手く歩けないだけでなく、「よだれをたらす」「食欲を無くす」「首をうなだれる」「異常な声で泣き叫ぶ」「体を反らした状態で動かない」「瞳孔の反射が遅くなる」といった様々な症状が発生することがあります。生のイカを少量与えただけで、すぐにこのような状態になるわけではありませんが、与え続けるのは避けなければなりません。

なぜこのような状態になるかというと、生のイカには「チアミナーゼ」という酵素が含まれているためです。チアミナーゼにはビタミンB1を分解する働きがあります。ビタミンB1には、ブドウ糖からエネルギーを作る働きがありますが、ビタミンB1が不足すると、体のだるさ・疲労・食欲不振・集中力の欠如といった症状が発生します。脳はブドウ糖をエネルギー源としており、ビタミンB1の不足はエネルギーの不足を引き起こすため、脳に障害が起こることがあります。腎臓や肝臓の機能も低下するために、胃腸障害などの原因にもなります。重症の場合は、体のしびれ・動悸・息切れが起こったり、中枢神経が侵されたりして命にも危険が及びます。

そのため、人はもちろん、猫もビタミンB1の摂取が必要です。しかも、猫は健康を保つために人の約7倍のビタミンB1が必要とされていますので、チアミナーゼを含む生のイカを食べることは、猫の健康に悪影響を及ぼすことになるのです。生のイカはビタミンB1を減少させるだけでなく、その消化のしにくさから消化不良となり下痢や嘔吐を引き起こすこともあります。さらに、イカの内臓にはアニサキスが寄生していることがあり、食中毒の原因にもなります。このような理由から、猫に生のイカを与えるのは止めるべきです。

なお、イカ以外にもチアミナーゼを含む食品は、魚介類ではタコ・ハマグリ・エビ・カツオ・コイ・フナなど、また、わらび・ぜんざい・ツクシといった山菜にもあります。いずれも猫に与えるのは止めるとともに、誤って猫が口にしないように気を付けるようにしましょう。

加熱したイカを与えるのは大丈夫?

チアミナーゼは熱に弱いため、十分に加熱するとその成分が破壊されます。そのため、体内のビタミンB1を分解することはなくなり、猫が腰を抜かす状態になることもありません。また、イカには、タウリン・DHA・カルシウム・タンパク質といった、猫が必要とする栄養素が豊富に含まれています。イカが含まれるキャットフードが販売されているのは、そのためです。もちろん、キャットフードに含まれるイカは十分に加熱がされています。

しかし、加熱によって消化が良くなるわけではありません。特に子猫やシニア猫にとっては、胃に大きな負担がかかることになりますので、自宅では火を通したイカであっても与えるのは避けた方が無難でしょう。イカを原材料に含むキャットフードを与える場合でも、消化不良になる可能性が無くはないため、猫の様子を見ながら与え続けるか判断をしましょう。

なお、イカに含まれる栄養素は総合栄養食であるキャットフードを食べることによって必要量を満たすことができます。猫の健康を考えると、危険性のあるイカを与える積極的な理由はありません。市販のキャットフードで充分ということです。

もし、猫がイカを食べてしまったら

ビタミンB1が欠如することによって発生する腰を抜かす状態は、イカを食べてから数時間以内に発症することが多いです。ふらふらしたり、よだれが出たりといった状態になったら、自分で判断することは避けてすぐに動物病院に連れて行き、獣医師に診てもらいましょう。その際、猫がイカを食べてしまったことと、どの程度食べたのか、食べてからどれくらい時間が経過しているのかを伝えましょう。放置したままだと症状は進行し、最悪は命に関わる危険性もあります。

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※サイトでは正確な診断はできません。異常を感じたら早めに掛かりつけの獣医さんに診てもらいましょう。

猫にイカを与えるのは避けよう

猫にイカを与えるのは危険です。仮に、過去に食べさせたことがあり問題がなかったとしても、愛猫の健康を考えると今後は避けるべきです。イカはもちろんのこと、チアミナーゼを含む食材を誤って猫が口にしないように日頃から注意しましょう。

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