犬のしつけ「マズルコントロール」って知っていますか?【第122回】/ペットと暮らすトリビア

犬のしつけ「マズルコントロール」って知っていますか?


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犬を飼っている方の間でも、マズルコントロールを実践している派と、していない派に分かれるのではないでしょうか。どちらかというと、していないほうが多数派なのかもしれませんね。今回は、犬のマズルコントロールの必要性ややり方についてご紹介します。これから犬を飼う予定の方も、ぜひ参考にしてみてください。


目次


マズルコントロールとは

犬のマズルとは、鼻から口にかけての部分を指し、いわゆる口全体のことを表しています。口吻(こうふん)という呼び名もありますが、一般的にはマズルという呼び方で浸透しています。マズルコントロールは、犬のマズルに触れて、悪いことをしてはいけないと教えるしつけの一つ。
本来は、母犬が自分の子に行うもので、子どもの犬のマズルを母犬が噛みます。そうすることで「私はあなたよりも強いんだ」ということを知らせ、犬同士のルールや上下関係を教えていきます。
このように、マズルコントロールは犬社会の中では当たり前のしつけです。しかし、人間は言葉で犬をしつけたり、ほかのやり方で悪いことを教えたりすることができます。よって、必ずしもマズルコントロールが必要なしつけとはみなされていません。ドッグトレーナーの中でも、マズルコントロールが必要かどうかは意見が分かれており、強制するほどのしつけではないでしょう。
現段階で愛犬が成犬になっており、正しいしつけがなされていれば、無理にマズルコントロールを教え込む必要はないのではないでしょうか。ただし、マズルコントロールによって得することや万が一の時に役立つこともあります。マズルコントロールには、どのような利点があるのかを知った上で、実践するか検討してみてください。

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マズルコントロールのメリット・デメリット

マズルコントロールのメリットは、おもに三つあります。一つめは、吠え癖や噛み癖を直すことができることです。
吠え癖は、人間と生活していくためには矯正しておきたい癖の一つであり、噛み癖も飼い主さんにとっては苦労するものでしょう。
このように、どうしても直しておきたい愛犬の癖を、マズルコントロールで防ぐことができます。
二つめのメリットは、歯磨きをしやすくなるということです。マズルを触られることは、犬にとって不快なことなので、同様に口周りの手入れを苦手に思う犬も多いもの。
どんなに大人しい犬でも、歯磨きは上手にできないということも珍しくありません。しかし、日頃からマズルコントロールをしておくと、犬はマズルを触られることに慣れるので、歯磨きの間も大人しくしているようになります。
これは、飼い主さんとの信頼関係が築かれている証拠ともいえるでしょう。そして三つめのメリットは、愛犬が興奮状態になった場合に、マズルをつかんで落ち着かせること
これは、ほかの犬に会った時や緊急事態の時に役立つため、覚えていて損はありません。
一方で、マズルコントロールのデメリットは、成犬になった犬ではしつけにくいということです。 マズルコントロールは、母犬が子どもの犬に行うしつけのため、ほとんど抵抗をしない仔犬の時期が有効。大人になった犬だと、自我が芽生え、それなりに家族の中で自分の立ち位置も確立していますので、マズルという嫌な場所を触られた時に大きく抵抗してしまいます。それでも無理やりマズルをつかもうとすると、ガブッと噛まれる危険性も。成犬は歯が鋭く、力も強いので、噛まれると飼い主さんが痛い思いをします。 成犬のマズルコントロールのしつけには、そうしたリスクがあることも覚えておきましょう。

マズルコントロールのやり方

マズルは犬の急所なので、マズルをつかまれるのを犬はとにかく嫌がります。長年一緒に暮らしてきた飼い主さんでも、急に愛犬のマズルをつかんだら抵抗されるはずです。 そこでまずは、マズルに触れることから始めましょう。最初は頭をなでた時の延長で、少しマズルに触れます。この時、遊び感覚でなでなでしましょう。
触ることに慣れてきたら、今度は口周りを軽くつかんでみてください。愛犬が驚かない程度に、やさしくつかみましょう。 そうして、抵抗せずに大人しくいられた場合はたくさん褒めてあげてください。 徐々につかむ時間を延ばしていって、落ち着いていられたら褒める、つかんでは褒めるを繰り返すうちに、きっと愛犬もマズルコントロールを嫌がらなくなるでしょう。もし、数十秒間マズルをつかんでも抵抗しない場合は、マズルコントロールをマスターしています。
仔犬の頃からマズルを触ることに慣れさせておくのが理想ですが、成犬でもマスターできる可能性はあります。成犬でしつける場合は、愛犬がどうしても嫌がる時は無理しないようにしてください。

マズルコントロールは、飼い主さんと愛犬の間に強い信頼関係がなければ成り立たないしつけです。同時に、上下関係がはっきりしていなければ難しいしつけなので、上級者レベルともいえるのではないでしょうか。
仔犬を迎え入れた方は、マズルコントロールをマスターする可能性が高いです。愛犬の年齢や性格を見て、チャレンジできそうな場合は試してみてください。

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