犬の血統書ってどんなもの?発行方法や必要性について【第105回】/ペットと暮らすトリビア

犬の血統書ってどんなもの?
発行方法や必要性について


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犬を飼っている人でなくても「血統書」という言葉を知っている人は多いのではないでしょうか?「血統書付き」などとよく言いますよね。 ところが、血統書=なんとなく良さそうなものとは分かるけど具体的にどんなものなのかを知っている人は、犬の飼い主さんでも少ないかも知れません。犬の血統書はどんなものか、発行の仕方や必要性を調査してみました。


目次


犬の血統書は「戸籍」のようなもの

犬の血統書は、正式名称を「血統証明書」と言い、その犬の血統を証明するための証書のようなものです。その犬が祖先の代から純血種であることを証明し、身体的なデータや出生時の情報などが記されています。
各犬種には「犬種標準(スタンダード)」が定められており、これを満たしていることが血統書の条件です。「犬種標準(スタンダード)」の条件としては、犬種ごとに体重の範囲や犬種の身体的特徴などが定められています。
血統書を発行する際には血統に関するデータを登録されるため、犬の「戸籍」のようなものと表現されることもあるようです。ただし、血統書はどんな犬にでも発行されるものではありません。審査によって血筋を証明できたものにのみ発行されます。

血統書には以下のような情報が記載されています。

・犬名(犬舎名+名前)
・本犬データ(犬種記号で表示)
・DNA登録番号
・ID番号(個体識別番号)
・股関節評価、肘関節評価(任意)
・繁殖者・所有者・譲渡年月日
・父母それぞれの血統図
・登緑日・出産頭数・登録頭数・一胎子登録番号
・コールネーム(呼び名)登録
・チャンピオン賞歴
・血統証明書の発行日

犬名とは犬の呼び名のことではなく、個体を識別するためのものです。2011年からは新たにコールネーム(呼び名)を登録できるようになっています。DNAや股関節と肘関節の遺伝的疾患のかかりやすさなどが調べられ、マイクロチップまたはタトゥーによる個体識別番号を入れられます。
こうした情報が入った血統書や登録は、健康な犬を生み出し、繁殖される血統と祖先によってどのような個体が生まれるかといった情報として活かされます。誤解されていることも多いのですが、「血統書付きの犬が上等」と言われるように犬の質や価値を表すものではありません。 犬の血統書はただ単に純血種を繁殖させるために使われるものであり、販売時に別の犬種の血が混じっていないことを示す証明書なのです。

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犬の血統書の発行方法

犬の血統書は、発行できる団体がいくつかあります。ジャパンケンネルクラブ(JKC)という団体が一番有名です。犬種の国際的な統括団体に加盟しているクラブで、ドッグショーの開催や犬の飼育指導なども行っています。公認トリマーや訓練士などの公認資格試験も行う団体です。
血統書を発行するためには、まず母犬の所有者がJKCに申請を出すことが必要です。申請内容の審査が行われ、通ったら犬籍原簿という戸籍のようなものに登録されます。登録は永久に管理され、「犬種標準(スタンダード)」を満たしたものにのみ血統書の発行が可能となります。
基本的には血統書は生後2年までに登録した場合のみ発行できます。費用は生後90日以内の場合は1頭2,200円、それを過ぎると5,600円かかります。また、これは生まれた時にブリーダーが登録するもので、所有者を飼い主にする時には名義変更が必要となります。
このほかにも日本社会福祉愛犬協会(KCJ)「日本警察犬協会」などの団体でも発行が可能です。また、「日本犬保存会」「日本コリークラブ」といった対象となる犬種が限られた団体でも発行を行っています。

犬の血統書は必要?

犬の血統書の必要性については、飼い主さんの考え方によって違います。一般的なイメージとしては、血統書付きの犬の方が高価で「良いもの」「価値が高い」という傾向が強いです。 しかし、実際の血統書は、純血種であることを証明するためのものであり、純血種を求める人以外にはあまり関係のないものです。特定の犬種を飼いたい人以外には必要ないと言っても差し支えないでしょう。
ただ、特定の犬種を対象とした競技会に参加する場合には、血筋の証明が必要になることがあります。ドッグショーや訓練、アジリティー競技会などに参加することを目指している人は、血統書があった方が参加できる範囲が広がりそうです。 こうした競技会には血統書のない雑種でも参加できるものもありますが、参加条件で血統書が求められることもあります。犬種ごとに部門が分かれた競技会に参加したい場合には血統書が必要です。

犬の血統書は聞いたことがある人は多い反面、あまり理解されていないものです。一般の飼い主さんとしては必要性を感じないことも多いでしょう。 血統書は基本的に、特定の犬種の繁殖を行っているブリーダーや特定の犬種を飼いたい、競技会に参加したい飼い主さんなど、一部の人にのみ必要とされるものと言えそうです。

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