にゃんにゃん編集部

猫,病気,食事,原因,方法,食欲,食べない,エサ,
これって病気?ペットのカラダSOS

〈猫がエサを食べない〉そのワケと対策を獣医師が解説【第4回】

編集部 まめお | 2018年06月29日


0

〈猫がエサを食べない〉
そのワケと対策を獣医師が解説

 

猫がご飯を食べている様子を見ているだけで癒されるという人もいるのではないでしょうか? しかし、普段はペロリとたいらげてしまうご飯を食べない……そんな様子が現れたとしたら、とても心配になりますよね。猫が食欲をなくすことはしばしばありますが、深刻な病気の場合もあれば、そうでない場合もあります。ここでは、その見分け方をご紹介します。

この記事の制作・監修
増田 国充(獣医師)
北里大学獣医畜産学部(現獣医学部)獣医学科卒業、獣医師免許取得。名古屋市内動物病院や静岡県内動物病院にて勤務。その後、ますだ動物クリニック開院。現代医療と東洋医療の良いところを取り入れた医療を実践している。
保有資格:獣医師、専門学校ルネサンス・ペット・アカデミー非常勤講師、JPMA日本ペットマッサージ協会理事、PYIAペット薬膳国際協会理事、JMMA日本メディカルアロマテラピー協会認定アニマルメディカルアロマテラピスト

 

うちの猫がエサを食べない、それは病気?

一般的に猫にとって食欲は元気のバロメーターです。食欲がない場合は病気であることを真っ先に考えます。しかし、食欲がないように見えても、直接病気が原因というわけではない、いわゆる「偏食」の表れとなっている場合があります。病気ではない偏食によって主食を食べない場合は、「主食以上におやつを多く食べる」「排泄の状態は正常」「他の食餌には興味を示す」「食べない以外は普段の様子と特に変化がない」といったケースがあります。これらをもとに食欲がないのか、あるいは偏食なのかを確認してみましょう。

食欲がなくなる病気の例

体調が悪くなると多くの場合、食欲がなくなります。それは、軽度なものから非常に重度なものもあります。症状として食欲が減退あるいは消失する病気にはどんなものがあるでしょうか?次に例を挙げていきます。
消化器に由来するもので言えば、口内炎、消化管内異物、胃炎、腸炎、膵炎、重度の肝臓疾患、猫の便秘症などが挙げられます。食欲がなくなるほかに、嘔吐や排便の変化がみられることがあります。猫の口内炎の場合は、食欲そのものはあるものの口が痛いためにうまく食べられなくなります。
呼吸器に由来するものは、気管支炎、肺炎、腫瘍などが挙げられます。食欲が低下するほかに、呼吸が速く、ときには口を開けて呼吸する様子が見られます。
ケガ・外傷、骨・関節のトラブルに由来するものは、強い腫れや痛みによって体にストレスがかかっている状態と言えます。痛みによるストレスは、交感神経が活発に働くことによって消化器の運動が抑えられてしまうため、食欲が減退してしまいます。
精神的なストレスによるもので言えば、慣れない環境にいる場合や過度に緊張している状態が続いている場合などが挙げられます。これもケガ・外傷、骨・関節のトラブルに由来するもので述べた理由と同じく、ストレスが消化器の運動を妨げてしまっているからです。
泌尿器に関連するものに、慢性腎臓病が挙げられます。慢性腎臓病は徐々に食欲が低下し体重が減少します。また尿中に結晶が作られそれらが尿道で詰まってしまうと、急性腎不全に発展する場合があります。この際にも食欲がなくなり、排尿がみられず、ぐったりします。
そのほかにも食欲がなくなる原因は非常に多いため、原因をきちんと突き止めて適切に対策を取らなくてはなりません。

食欲がない場合にうちでできること

食欲がないときに飼い主はどうすればよいのでしょうか?それは様子を見すぎないことです。猫がエサを食べない場合、「またすぐに食べるようになるだろう」と様子を見るケースがあると思います。しかし、まったくエサを食べない状態が何日も続くと危険です。猫の場合、まったく食べ物を摂取しない状態が3日以上続くと、肝リピドーシスという病気を新たに発症する恐れがあります。これは肝臓の細胞に脂肪が蓄積し、肝臓の機能が低下するものです。
まったくエサを食べない状態が1日以上続き、猫の元気がない、あるいは吐き気や下痢などいつもと異なる不調が見られる場合は、早めに動物病院で診察を受けましょう。食欲のない原因によって対応方法が異なります。例えば、流動食を使った強制給餌(きょうせいきゅうじ)と言われる方法を用いる場合や、入院管理が必要な場合があります。食餌療法が必要となる場合は、その目的に適合した食餌に切り替えることがあります。これらは獣医師による適切な指導のもと行われなければなりません。
食欲がないことに限ったことではありませんが、状態が悪化するほど改善するまでに時間がかかります。1日でも早く安定した食欲を得るためにも、正しい方法で改善につなげましょう。

愛猫が安定して食餌が取れるようにするためのコツ

健康な生活は安定した食事からです。食事で気を付けておきたい点をご紹介します。毎日安定して食欲があるのが理想的と言えますが、猫の体調は日々変化します。その中でできるだけ食欲が落ちないようにするためのちょっとした工夫やヒントをご紹介します。

1.エサは決まった量を決まった時間にあげましょう。1日の中でエサが食べられる時間をある程度定めておくと、食事の時間に食べなくては…というように考えるようになります。

2.間食はほどほどにしましょう。人間でも同様ですが、主食よりもおやつの方がおいしくて魅力的なのです。猫も間食を食べたいがために、主食を食べなくなることもしばしばあります。きちんと健康管理をしていくためにも食事内容には気を付けたいものです。

3.それでもエサを食べない場合は、獣医師に相談をしましょう。何か病的な要因があるかもしれません。心配な場合は早めに診察を受けましょう。

食欲がないのは飼い主から見ていて、とても辛いものです。気になることがあれば、あまり過信せずに早めに対策を取られることをお勧めします。

 

<<前の記事 | いつもと違う?ペットのカラダSOS | 次の記事へ>>

0