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道端に捨てられた子猫がいました。飼っても大丈夫ですか?【第25回】

編集部 まめお | 2018年01月05日


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質問

道端に捨てられた子猫がいました。飼っても大丈夫ですか?

 

 

 

答え

ノラ猫の場合には飼っても大丈夫ですが、飼い主のいる猫の場合には飼うことができないこともあります。

kuri
この記事の制作・監修

栗脇法律事務所 栗脇康秀弁護士
福岡県弁護士会所属。早稲田大学法学部卒。損害補償事件を中心に、依頼者に安心・納得・解決力をお届けします。
http://kuriwaki.jp/

ノラ猫か飼い猫かの違い

ノラ猫と飼い猫との間で違いがでてくる理由は、動物である猫が法律上「物」(民法85条)、具体的には「動産」(民法86条2項)として扱われることにあります。
動産は、所有権の対象となります。そして動産の所有権を侵害した場合には、民法上や刑法上の責任が生じる可能性があります。一方、所有権の対象となっていない動産(無主物)であれば、所有権を侵害することはないため、民法上や刑法上の責任が生じることは、基本的にはありません。
そしてノラ猫は、所有者がいない猫、すなわち所有権の対象となっていない動産にあたるため、所有権侵害を考える必要はなくなります。一方飼い猫は、飼い主が所有する猫、すなわち所有権の対象となっている動産であるため、飼い主の所有権侵害を考える必要が生じるのです。
そうはいっても、ノラ猫か飼い猫かを区別することは難しい場合が多いと思います。一般的には、首輪や鑑札の有無、拾得されたときの状況等から判断することになります。

 

ノラ猫の場合

ノラ猫の場合は、所有権侵害を考える必要はありません。そして民法239条1項により、「所有者のない動産は、所有の意思をもって占有することによって、その所有権を取得する」ことができます。
例えば、あなたが道端に捨てられたノラ猫を飼おうと思って家に連れて帰れば、その猫の所有権はあなたに帰属し、あなたがその猫の飼い主となるのです。

 

飼い猫の場合

飼い猫の場合には、飼い主の所有権を侵害するおそれがあります。したがって遺失物法により、飼い主の所有権との調整が図られており、この手続きに従う必要があります。
遺失物法4条1項本文は、「拾得者は速やかに、拾得をした物件を遺失者に返還し、又は警察署長に提出しなければならない。」と定めています。したがって、飼い主がいると思われる動物を拾った場合には、飼い主に返還するか、警察署長に提出しなければなりません。また動物の愛護及び管理に関する法律35条3項により、拾得者は拾った動物を各地の動物愛護センターへ届け出ることもできます。
なお動物愛護センターへ届けられた動物は、各都道府県の条例に従い、基本的には数日で殺処分されてしまいます。しかし命のある動物を殺処分することは、できる限り避けたいことです。そこで条例等により、第三者が新たな飼い主となるべくそのペットの譲渡を求めた場合で、当該第三者がそのペットを飼育するうえで適切な場合には、ペットを譲渡することができるとされています(東京都動物の愛護及び管理に関する条例25条1項など。)。あなたが拾った動物の飼い主となりたい場合には、センターへ届ける際に、譲渡を求める旨も合わせて伝えるようにしてください(同条2項)。
仮にあなたがこのような手続きをとらずに、飼い猫を自分のものにしてしまうと、刑法上、占有離脱物横領罪(刑法254条)が成立し、1年以下の懲役または10万円以下の罰金若しくは過料という刑罰に処せられる可能性があるので、気をつけてくださいね。

 

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